カレンダー撮影記:ボツワナ 第4話
第4話:ボツワナの独立記念日はライオンデーだった。
9月30日はボツワナの独立記念日。まずメスのライオン2頭に出会う。東アフリカに比べるとボツワナのライオンは大きい。1.2倍くらいはあるだろうか。この2頭は両方とも妊娠中だった。イボイノシシを狙う狩りの態勢にはいっていたのだが、近くにいたクーズーの警戒音で逃げられてしまった。
撮影に向かう車にはトラッカーと呼ばれる動物を追跡するプロが同乗している。彼らは走る車から動物の足跡を見ている。足跡の深さや輪郭の消え方の具合で判断し、何分か前にここを通り、その後、こう動いたといった情報を教えてくれる。また、500~600m先からでも動物の姿を見つけ出す。僕も動物を見つけるのには自信があるが、彼らには到底かなわない。まさに野生の目が、2頭の兄弟ライオンを見つけた。
最初は車を警戒して険しい表情をしていたが、時間をかけてゆっくり近づいていく。そのうち警戒心を解き、だんだん表情が柔らかくなっていく。こちらを意識しなくなってはじめてここまで自然な仕種を見せてくれた。この2頭は本当に仲が良く、ずっと連れだって獲物を探していた。やさしく頬ずりをしながら、お互いをいたわり合っているのだろうか。
ライオンを撮っているとトラッカーが木の上に若いヒョウがいると教えてくれた。見たことのある個体で覚えているという。まったく彼らの能力には驚かされる。
ボツワナ編 一覧
野生動物 一覧
- Botswana「アフリカ屈指の野生の楽園 - ボツワナ」
- 「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
- Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
- Galapagos Islands「絶海に生きる - ガラパゴス諸島」
- Madagascar「原猿の棲む島 - マダガスカル」
- Ngorongoro「いのち育むカルデラ - タンザニア・ンゴロンゴロ」
- The Peninsula and the Island「世界自然遺産 - 知床と屋久島」
- Land of the Brave「気高き者たち - ナミビアの野生」
- Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」