カレンダー撮影記:ボツワナ 第2話
第2話:乾季の水辺には動物たちの様々な歓喜の姿が渦巻いている。
ボツワナでの最初のキャンプ地、クワンドラグーンでの撮影初日。水辺でキリンのオス同士が首を振りぶつけ合うネッキングをしているのに出会う。かなりダイナミックな動きで、バチンバチンという大きな音が乾いた空気を震わせる。社会的なポジションを確立するためのプレイファイトの一種なのだが、この2頭のそれはほぼ遊びに近いものだった。1頭が水の中へ走っていくと、もう1頭がもっと遊ぼうよとでもいうように追いかけていった。僕はその楽しげな姿を流し撮りで追いかける。
じゃれ合うキリンの様子を撮影していると、そこにゾウの群れが現れた。ゾウは水を飲みたいと思ったら、そのことだけに意識を集中して、まっしぐらに水場へと向かう。たとえライオンが視界にいてもお構いなしだ。
ヒョウは本来、敏感な動物だ。だが保護区に入れる車の数が制限されており、多くの車に驚かされたりする経験が少ないため、このあたりのヒョウは比較的のんびりと暮らしている。普通は身を隠そうとするものだが、撮影のため近づいても、なんだ車かという態度で悠然と構えている。ふと目にした生態に、野生動物を徹底して保護する国の政策が徐々に実りを見せているのを実感する。
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