2018年9月。僕にとっては1993年、1994年に続いて3度目のボツワナ撮影取材だ。アフリカ南部のボツワナには世界最大の内陸デルタがある。それに加えてサバンナと砂漠があり、実に多様な自然がそのまま野生生物の多様性につながっている。その広がりは驚くほどで、ライオン、ゾウ、キリン、カバ、サイ、ヌー、チーター、シマウマ、ヒョウ、バッファロー、インパラ、クーズーなどアフリカに生息するほとんどの大型哺乳類が見られる。さらに水生生物や野鳥たちも数多く暮らしている。
Botswana「アフリカ屈指の野生の楽園 - ボツワナ」
第1話:アフリカ南部のボツワナはこれで3度目。野生が野生のまま残っているだろうか。
この時期を選んだのには理由がある。9月はボツワナの乾季にあたり、地表に残ったごくわずかな水を求めて野生動物が集中するからだ。川や小さな水たまりの周りに様々な動物が訪れ、生きることに全力を尽くす姿を目の当たりにすることができる。水と生きるいのちの光景を捉えることはここ数年の僕の大事な撮影テーマだ。
撮影場所の選定にも知恵を絞った。最近、世界的に国立公園内の野生保護区ではルールが厳しくなっている。むやみに野生動物に近づいてはいけない、車は決められた道を外れてはいけない、などの規則が細かく定められている。そこで、できる限り野生の生き生きした姿を捉えるために、主にプライベートサンクチュアリを回ることにした。国の許可を得た私設保護区なら、撮影の自由度がかなり大きくなる。オカバンゴ・デルタ内のクワンドラグーン、レバラキャンプ、モレミ野生動物保護区や、クワイ川、チョベ国立公園などボツワナ北部の重要ポイントを巡る旅がいよいよ始まる。
関連リンク
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2019年12月にオリンパスギャラリー東京で開催された写真展の様子と岩合さんによるギャラリートークの動画を掲載しています
作品の背景や動物写真を撮ることについてのインタビューを公開しています
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