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IWAGO

カレンダー撮影記:パンタナール 第11話

第11話:夜明けとともに訪れた水辺は、幻想的な絵画を見るような美しさだった。

ダイサギ

たくさんの鳥を一枚のフレームに美しく収めるのは難しい。僕はできるだけ鳥同士が重ならないような構図で撮影したいと思い、ベストポジションを求めて、少しだけ横に移動した。鳥たちがこちらを気にしているとは思えないのに、僕がちょっとでも動くと、鳥が飛び立つ。一斉に飛び立つのではなく、一羽、そしてまた一羽と飛び立ち、気がつくと先ほどの景色とは全く違うものになっている。

僕は翌朝も、昨日と同じ感動を求めて、同じ場所に行ってみた。鳥の数は、昨日の3分の1ほどしかいなかった。このあたりの魚は、ずいぶん食べ尽くされてしまったのだろう。自然界に、同じ景色は二度とない。


オニオオハシ 野生動物図鑑


アカオキリハシ


ベニタイランチョウ

パンタナールは水鳥をはじめ、色鮮やかなインコの仲間など野鳥の多さも世界屈指だ。森の中で、オニオオハシを見かけたこともある。オレンジ色の強そうなくちばしで硬いマンドゥビの殻を割ると、中から出てきた実をくちばしに受け取り、ポイッと放り投げて食べていた。

高い木を見上げてクロホエザルを撮影していたときは、ドキッとするほど美しい緑色の鳥に出会った。アカオキリハシだった。濃い紅色をしたベニタイランチョウも見かけた。

モモイロイッペーの木がピンクの花を咲かせている草原では、レアが長い脚で散歩していた。


レア 野生動物図鑑