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IWAGO

カレンダー撮影記:パンタナール 第2話

第2話:初めてのパンタナールに興奮し、初心者のように撮りまくる。ガイドは、Mr.ジャガーだ。

パンタナールは、実に遠かった。成田空港からチューリッヒ、サンパウロと乗り継ぎ、やっとブラジルのクイアバに降り立った。ここまで丸2日かかった。ここからは車で、パンタナールの入口にあたるポコネという町に向かう。ポコネに着いたとき、ドライバーが物騒な話をする。彼の奥さんがその朝、ポコネにある銀行に行ったら、なんと銀行が消えていたと言うのだ。銀行強盗が警察官を拉致し、ダイナマイトで建物ごと爆破させたらしい。銀行強盗もスケールが違う。


黄色い蝶


アメリカヌマジカ 野生動物図鑑


パラグアイカイマン 野生動物図鑑

ポコネからは縦貫道を走って、宿泊地のポルト・ジョフレに向かう。ガイド兼ドライバーは、Mr.ジャガー。彼に案内されるとジャガーに遭遇する確率が高く、ジャガーの気持ちがわかる男と言われているのだ。縦貫道には朽ち果てそうな木製の橋が60カ所くらい掛かり、そこを通るときはノロノロ運転になる。車を走らせていると、急に目の前に地平線が広がった。「ああ、パンタナールに来たんだなぁ」と実感する景色だった。途中、道路の水たまりに無数の黄色い蝶が群がっていて、僕らは蝶のトンネルの中を走った。帰路には、同じ辺りで道をのびのびと横切るアナコンダと出会う。水辺を見ると、パラグアイカイマンと呼ばれるワニが群がっている。100匹はいるだろうか。僕が「ワニ!ワニ!」と興奮してカメラを向けると、Mr.ジャガーが「こんなとこで撮らなくていいのに」という顔で僕を見る。彼には、ちっとも珍しい光景ではないのだ。「あっ、アメリカヌマジカがいる」。このときはMr.ジャガーもすかさず自分のカメラを出した。彼がカメラを出すのは、珍しい動物に遭遇したときだ。

半日かかって、ポルト・ジョフレに到着した。ロッジに入ろうとすると、不意に羽ばたきの音が聞こえた。スミレコンゴウインコだった。深いブルーが何とも美しい、パンタナールのシンボルといわれる鳥だ。 パンタナール初日、僕はジャガーに会う前から大興奮。カメラ初心者のように撮りまくった。


スミレコンゴウインコ 野生動物図鑑