カレンダー撮影記:ガラパゴス 第4話
第4話:サンタフェ島:リクイグアナの動きが、以前と変わった気がする。よく見ていると、表情豊かな顔だ。
サンタフェ島の白い砂浜でガラパゴスアシカを撮影した後、僕はビーチを離れ、ウチワサボテンが生えるブッシュを歩いた。ウチワサボテンは、樹木のようだ。松の樹皮のような堅い幹をもち、上のほうで葉肉を広げている。その近くの岩に、サンタフェリクイグアナがいた。水分をたっぷり含むウチワサボテンは、彼らにとって貴重な食料。木に登ることはできないので、実や葉が落ちてくるのを、下で待っているのだ。
サンタフェ島のリクイグアナは、他の島のリクイグアナに比べて、皮膚の黄色が暗めだ。頭にマネシツグミが止まった。リクイグアナが動くと虫が飛び、マネシツグミはそれを食べに来たのだ。
1970年、僕が初めてガラパゴス諸島に来たときは、リクイグアナを見ていても逃げる様子はなかったが、今回は逃げてしまう。ヒトが増えたこの40年ほどの間に、イグアナの動きも変わった。僕はできるだけ動かないように注意しながら、撮影を続けた。望遠レンズで撮影していると、イグアナの表情がはっきりとわかる。愛嬌のある顔をしているときと、これ以上近づくなという険しい表情をしているときがある。
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