カレンダー撮影記:ガラパゴス 第3話
第3話:サンフェタ島:ガラパゴスアシカと一緒に泳いだり、砂漠では寝息を聞いたり……。
ガラパゴス諸島での撮影2日目、僕は朝早くサンタクルス島を出発し、船で2時間半ほどのサンタフェ島にやって来た。大勢の観光客を乗せた船が島に到着する前の時間を狙って、撮影を開始したかったのだ。ガラパゴス諸島ではそれぞれの島ごとにきちっとしたルールが設けられていて、規定の時間以外に上陸することはできないし、飲み水以外の食べ物の持ち込みも禁じられていたりする。すべては、環境を守るためだ。撮影も、このルールに従って行うことになる。
僕は、海の中を泳ぐガラパゴスアシカを撮影するために、足ヒレをつけ、船から海に潜った。海岸から海へ入るのは禁止されている。砂浜にいるアシカの動きを邪魔しないための配慮だ。
アシカたちが悠々と泳いでいる。数頭の若いアシカが、追いかけっこしているような動きをみせる。そこに大きなオスが来ると、逃げる。アシカたちはヒトに馴れているのか、泳いでいる僕の足ヒレをつついてくる。遊びみたいなものだろうか。
海から上がり、砂浜に伏せてじっとしていると、アシカのほうから“やぁ、人間か”と寄ってきたりする。しかし、こちらがアシカのことを意識して見ていると、近づいてこない。アシカはヒトをよく見ているなぁと思う。僕は、アシカがどういう動きをしているか観察した。そして、砂浜に転がっている流木で休むのではないかと予想し、カメラを構えた。案の定、一頭のアシカがやって来て、流木を枕にするかのように頭をのせ、目を閉じた。すると、その背後から、寝心地よさそうな枕が気になるのか、もう一頭がやって来た。アシカの寝息が聞こえる距離だった。
今回見るアシカは、なんだか痩せているように思えた。ガイドに尋ねると、エルニーニョのせいで海水温が上がり、食べ物が減少しているという。
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