MENU
CLOSE
IWAGO

カレンダー撮影記:ナミビア 第3話

第3話:僕の目の前を、ケープペンギンがピョンとジャンプした。

ハリファックス島での第一日目の撮影を終えると、島から一旦、宿泊地のリューデリッツに引き返し、翌朝またハリファックス島に渡った。ケープペンギンは朝、営巣地から海にやって来て沐浴する。海に入るときは、飛び込むタイミングを窺っているかのように、波を見つめる。このあたりの海にはシャチやサメなどの天敵が出没するから、きっと安全を確かめているのだろう。片足をやられてしまったペンギンも見かけた。沐浴を済ませたある一羽は営巣地へ戻るつもりなのか、海からあがると、海藻に覆われた岩から岩へピョンとジャンプして渡った。とても身軽な動きだった。


ケープペンギン 野生動物図鑑

くちばしに海藻をくわえるペンギンもいるが、食べるわけではなく、なぜかまた海に戻したりもしている。食べ物であるイワシを獲りに行くときは、けっこう沖合まで泳いでいく。ケープペンギンはほぼ一年を通して繁殖するが、イワシの群れが南アフリカの方に行ってしまうようなときは、繁殖数も少なくなるらしい。カモメがヒナを狙って営巣地に近づくと、ペンギンたちはみなでかたまって防御する。ケープペンギンはアフリカ南部にだけ生息するのだが、大規模な漁業による食べ物の減少や、船の事故による海洋汚染などで、その数を減らしているという。


ケープペンギン 野生動物図鑑