カレンダー撮影記:ナミビア 第6話
第6話:砂漠を駆けるダチョウの、カッコいいこと!
ナミブ砂漠の「ナミブ」とは、先住民族の言葉で「広大な」とか「何もない」という意味だという。果てしなく広がるこの赤い砂漠は、その名のとおり、生命の気配など感じられない不毛の地に思われがちだ。ところが、実はそうじゃない。ある日の夕方、砂丘にダチョウを見つけた。僕は撮影するために、急いでクルマを降りた。風紋が描かれた砂丘には、わずかばかりの草が点在し、そこをダチョウが砂煙を巻き上げながら、猛スピードで駆け上っていく。僕はダチョウに駆け寄ろうにも、砂に足をとられて、二歩上っては一歩下がるという調子だが、ダチョウの方は足をとられる様子はまるでない。砂漠を一羽、悠然と駆け抜けていく。シャッターを切ったとき、僕はダチョウのことを、つくづくカッコいいと思った。
ナミブ砂漠には、ゲムズボック(オリックスのことをナミビアではこう呼んでいる)もいるのだが、彼らの砂漠の歩き方もカッコいい。僕の歩いたところを振り返ると、足跡がバラバラなのだが、彼らの足跡にはムダがない。試しにゲムズボックの足跡をたどってみたら、実に歩きやすい。彼らは砂漠の中で歩きやすいところを知っているようだ。
ナミビア編 一覧
野生動物 一覧
- Botswana「アフリカ屈指の野生の楽園 - ボツワナ」
- 「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
- Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
- Galapagos Islands「絶海に生きる - ガラパゴス諸島」
- Madagascar「原猿の棲む島 - マダガスカル」
- Ngorongoro「いのち育むカルデラ - タンザニア・ンゴロンゴロ」
- The Peninsula and the Island「世界自然遺産 - 知床と屋久島」
- Land of the Brave「気高き者たち - ナミビアの野生」
- Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」