カレンダー撮影記:屋久島 第12話
第12話:太古の世界が続くことを願う。
海に面して切り立つ海岸線、水でえぐられた巨大な花崗岩、豪快な渓流、高く連なる山々。雨に洗われたモスグリーンの苔の美しさ、水滴がきらめくヤクシマシャクナゲのみずみずしさ、神々しいまでの存在感を感じさせる屋久杉の原生林。そして、太古からの自然に抱かれて生きるヤクザル、ヤクシカ……。
2010年、2011年、2012年と、僕は6回に亘って屋久島を撮影取材した。屋久島は季節ごとに違った表情を見せるし、撮影しても撮影しても、また訪れたくなる奥深い魅力がある。撮影は雨に悩まされ、雨との勝負だった。しかし、どこにカメラを向けても、そこには他の世界では見られない自然がある。この島にはなんといっても、太古からの生命力が息づいている。苔に覆われた森の中にいると落ち着き、自分が太古の世界に溶けこんでいくように感じるのだ。僕は世界各地でさまざまな自然や野生動物と出会ってきたが、太古からの自然を感じ取れる場所が、日本にもあるというのは素晴らしいことだと思う。これからも、屋久島は屋久島であってほしいと願っている。
屋久島編 一覧
野生動物 一覧
- Botswana「アフリカ屈指の野生の楽園 - ボツワナ」
- 「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
- Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
- Galapagos Islands「絶海に生きる - ガラパゴス諸島」
- Madagascar「原猿の棲む島 - マダガスカル」
- Ngorongoro「いのち育むカルデラ - タンザニア・ンゴロンゴロ」
- The Peninsula and the Island「世界自然遺産 - 知床と屋久島」
- Land of the Brave「気高き者たち - ナミビアの野生」
- Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」