カレンダー撮影記:マダガスカル 第8話
第8話:ジャッキーはやはり、プロだった!希少なスベヒタイヘラオヤモリを見つける。
滅多に見ることのできない貴重な鳥キバラマミヤイロチョウを見事に探し出してくれた、ガイドのジャッキー。僕はこの日もジャッキーと一緒に、アンカラファンチカの森を歩いた。木の枝にオオベニハゴロモの幼虫がいた。甘い香りの液体を出して虫をおびき寄せ、寄ってきた虫を食べてしまう昆虫だ。ジャッキーが葉っぱをちょっと裏返したら、そこにはジンメンカメムシがいた。名前のとおり、ヒトの顔が描かれたような模様がある。
そしてまた、今日もスゴイことが起こった。ジャッキーが、スベヒタイヘラオヤモリを見つけたのだ。マダガスカルの固有種で、非常にめずらしいヤモリだ。樹皮の色と同化しているのに、よく見つけたものだ。日本人の爬虫類の研究者にスベヒタイヘラオヤモリを撮ったと話したら、「本当に見たのか?!どこにいたのか?!」と興奮していた。どこに?と聞かれても、「森の中だよ」としか答えようがなかった。ジャッキーのプロとしての仕事ぶりには感謝の言葉もないほどだ。森の中で50年60年と暮らしたら、わかるようになるのだろうか。
ジャッキーと別れ、僕はアンカラファンチカ国立公園を後にした。首都のアンタナナリボに戻り、次の目的地は針山のような岩が立ち並ぶツィンギ・デ・ベマラ国立公園・厳正自然保護区だ。途中、バオバブの街道を走った。コーディネイターが当然のように、「バオバブを撮るでしょ?」と聞く。興味がないと言ったら、「ええっ?」と怪訝な顔をされた。コーディネイターに花を持たせようと、帰り道にバオバブを撮った。機材を運んでくれたドライバーはツィンギまでは、夜、山賊が出るという物騒な山を越え、車で2日間かかったそうだ。
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