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IWAGO

カレンダー撮影記:マダガスカル 第6話

第6話:ワオキツネザルは、アローディアが大好物。鋭いトゲも平気なのか?

ワオキツネザルは、鋭いトゲが密集しているアローディアという植物の花や実を好んで食べる。僕は見るたびに思った。彼らは、アローディアのトゲが痛くないのだろうか。枝の先に乗って身構えると、さあ跳ぶぞ、と弾みをつけ、後ろ足で着地しては食べている。そんなことを平気で繰り返している彼らの手足はよほど強靭で、トゲなど刺さっていないのか。だが、よく観察していると、肉球あたりが気になるかのように、自分の手を見ている者もいる。やはり、トゲが刺さっているに違いない。

そんな痛い目にあっても、アローディアのみずみずしい葉はよほどおいしいのだろう。ニホンザルなら手に刺さったトゲは抜こうとすると思うが、彼らは手をときどき見るだけで、そのままにしている。

日が暮れる頃、夕日を浴びてアローディアにつかまるワオキツネザルを、月とともに撮影した。ちょっと幻想的な光景だった。


ワオキツネザル 野生動物図鑑


ワオキツネザル 野生動物図鑑

マダガスカルには、手のひらに載るほど小柄なイタチキツネザルも生息する。彼らは木にあいた穴を棲家とし、木から木へと移っては、昆虫などを食べる。主に夜間に行動するのだが、早朝、木の前を通りかかると、挨拶でもするかのように顔を見せた。僕が近づくと引っ込み、離れるとまた顔を出した。


イタチキツネザル 野生動物図鑑