カレンダー撮影記:マダガスカル 第4話
第4話:ワオキツネザルがのんびり日向ぼっこ。そんな光景がいつまでも続くよう願う。
朝日が昇り、森を暖かな日差しが包み込んでいる。木の上に、何ともリラックスした格好で日向ぼっこをするワオキツネザルがいた。夜の乾燥で冷えてしまった体を温めているのだ。ワオキツネザルはその名のとおり、白黒のシマの輪になった尾を持つ。鳴き声はネコに似ていることもある。「あれ、森の中にネコ?」と錯覚することがあるくらいだ。
ワオキツネザルは、マダガスカルだけに生息する。マダガスカルの野生動植物はおよそ25万種にも及ぶが、その80%ほどが、ここにしか生息していない固有種だ。はるか大昔、ゴンドワナ大陸の分裂が進むなか、アフリカ大陸とインド亜大陸にはさまれていた部分が分離して以降、マダガスカル島は他の大陸と地続きになった歴史がないまま現在に至ったといわれている。だから、他の地域では見られない、独自の生態系を保っているのだ。
彼らが棲み家としているのは、ヒトが手をつけていない自然林。木がボサボサと不揃いな、一見荒れているような森にいる。ヒトが整備した植林の森は、美しくは見えるが、そこに動物たちはいない。森ならどこでもいいわけではないのだ。いまマダガスカルには、わずかしか自然林が残されていないという。
マダガスカル編 一覧
野生動物 一覧
- Botswana「アフリカ屈指の野生の楽園 - ボツワナ」
- 「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
- Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
- Galapagos Islands「絶海に生きる - ガラパゴス諸島」
- Madagascar「原猿の棲む島 - マダガスカル」
- Ngorongoro「いのち育むカルデラ - タンザニア・ンゴロンゴロ」
- The Peninsula and the Island「世界自然遺産 - 知床と屋久島」
- Land of the Brave「気高き者たち - ナミビアの野生」
- Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」